桜龍の奴等

目の前に女の子がいる。

誰だろう⁇
見たことがある。

女の子は、俺の方へ振り返って 優しく……儚く 微笑んでから そのまま、走って走って……暗い穴の中へと落ちていった。

穴の方へと手を伸ばし、女の子を助けようとすると そのまま 引き摺り込まれ、俺も一緒に穴へと落ちていく。

だんだん、赤くなっていく目の周り。

暑くなってきた。暑く、熱く。

熱い、熱い……目の前も後ろも……見渡す限り 炎。

水……水……。

ゴボッー

今度は足を引き摺り込まれ、水の中。

抵抗することもできなくて、そのまま 引き摺り込まれる。

息ができない……苦しい……。

誰か……助けて。
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