桜龍の奴等

なはり、ハンカチだと薄すぎて ハンカチ全体が爽の血によって、真っ赤に染められてしまっている。

しかし、血は止まることを知らないというかのように次から次へと流れる。

爽は来ていた服の端を破り ハンカチの上から巻きつけた。

中央に向かって、円状に並べられている棚。

少しずつ、棚に隠れながらも中央へと近づく爽。

中央に出た途端、爽は目を閉じた。

精神統一。

耳をすませる。
走ってくる音がする。
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