桜龍の奴等
もし本気なのだとしたら……。
俺は大切な人を1人も守ることができないまま 死んでいくのか⁇
それは嫌だ。
"嫌" という思いがこみ上げてきた。
ガチャー
爽の手につけられていた手錠が壊れた。
魁皇の総長、威王は電話をしていて 爽の様子に気づいていない。
爽は、近くにある塔を見た。
中の様子が見える、バルコニーのようなところに仁を見つけた。
身体を捩らせて、爽は足に巻き付けられていたロープを解いた。