桜龍の奴等
病院の中にも誰もいない。
中は薄暗く、ナースステーションのところだけがやけに明るい。
受付を済ましてから、爽と風牙は近くにあった椅子に腰かけた。
「ありがとう。」
爽が突然 感謝の言葉を伝えた。
「どうして⁇」
「だって、俺のことを思って こんなところまで連れてきてくれて……本当に感謝してるから。」
素直な気持ちを言った爽。
だが、風牙には
「ふーん。」
の一言で片付けられてしまった。
爽は照れ臭そうに笑った。