桜龍の奴等
「海斗、君の出番だ。」
……は⁇ カイトって、俺の親友の……⁇
いや、そんなはずはない。
そんな爽の独り善がりは 一瞬にして崩れ去った。
「……グハッ……ゴホ、ゴホ……
海斗、お前……何してんだよ……」
爽の頭の中はショートしてしまってもおかしくないくらい、混乱に陥っていた。
そんな中で確かに事実として分かることは、海斗が爽の鳩尾を殴った……ということだった。
「友情ごっこに飽きた、ただそれだけだ。」
「嘘だろ‼︎なぁ、嘘だよな……⁇
ありえねぇ……」
爽の頭を駆け巡るのは、海斗との思い出ばかり。
2人で海へ行ったこと。
2人で花火を見たこと。
2人でイタズラをしたこと。
2人で呼び出されて叱られたこと。