桜龍の奴等
「違う、いや……違った。
最近、爽は……お前は俺以外の奴等とつるむようになった。
俺のこと、正直 忘れていたんだろう⁇
そういうことだよ、お前の方から離れて行ったんだ。」
……。
爽は何も言い返すことができない。
確かに、この夏休みの間 1度も海斗と会うことはなかった。
桜龍の仲間とずっと一緒だった。
事の始まりは俺からだったのかもしれない。
無意識ではあったが、自分の罪は重い。
爽は自分をせめた。
「海斗……。
悪い、……悪かったのは俺だったんだな。
お前を責めてしまって、悪い、本当に……すまない。」
そして、爽は付け加えた。
「海斗の気が済むまで、俺を殴ればいい。」
松井はニヤッと笑った。
ドスッー
この後もしばらく海斗の重い鉄拳が爽に振り下ろされた。