桜龍の奴等
「お前が今行っても、絶対 殺られるだけだ。
そんなことを誰も望んでいない。」
そんなことは、分かっている。
今の自分では、無力すぎて 何もできないことくらい。
重々 分かりきっていても、身体はそれに反発する。
向こうへ行けば、松井がいる。
海斗だって……
ガシャンガシャンー
地下のシャッターが叩かれる音がして、2人は顔をあわせる。
そして、同時に頷き 仁はシャッターのところまで行く。
視線だけで交わされた会話。
「何だ⁇松井……か⁇」
「いや、松井ではない。
松井は爽をじっくり痛みつけようとしているから。」
「それなら……」
「俺が見に行ってくる。」
「頼んだ。」