桜龍の奴等
外からは聞きなれた声が聞こえてきた。
「爽‼︎爽はいますか⁇」
「何の用だ⁇」
仁は冷静に海斗に聞き返す。
「爽に……爽に会わせてください。」
「無理だ。」
語気を強くし、仁は海斗の要求を跳ね返した。
「どうしてですか⁉︎」
海斗は分かっていた。
自分が爽を傷だらけにしたから、爽に近づけないようにされていることを。
「分かっているんだろう⁇その目は。
なら、帰れ。」
仁は、ドアを閉めようとした時 海斗は仁の腕を掴んだ。
「……待ってくれ‼︎謝りたいんだ‼︎
疑われるのも仕方ないと思っている。
だから……アンタが俺のことを押さえつけていればいい。」
海斗は真っ直ぐ仁を見て 頼んだ。
少し間を開けてからり仁は頷いた。
仁は近くにあったガムテープで海斗の両腕を束ね、それを腰に貼り付けた。