eternal destiny

「なぁ、林猫……魔力 使えるか⁇」

隣の部屋にいる林猫に話しかけた。
ドア、開けっ放しにしているから 聞こえるだろう。

いいことを思いついたんだ。

「ん……あぁ……そういえば、魔力封印されてねえな。」

「ならさ……俺の魔力 解放してくれないか⁇

魔力で掃除 一気に片付けよう。」

俺は掃除の手を止めて、隣の部屋の林猫のリアクションを見に行った。

驚いた顔をしている林猫は少し遅れて反応をした。

「分かったけど……その後、俺 魔力消費で倒れるけど 大丈夫か⁇」

「あぁ、多分 いける。」

俺は首からかけていたネックレスを引きちぎり、リングを右手中指に通した。

林猫は俺の額に手をかざして、魔法を唱えた。

「release」

林猫の手から バチッー と青白い稲妻が走った。

「うへぇ、魔力有り余りすぎて 胸焼けするー……。」

「無駄口叩いてねーで、さっさとしろ。」

ジジィーと機械音がした。

『あ、言い忘れてたけど⁇
もちろん、掃除に魔力を使うのは禁止だからな⁇

向流。』

放送か。
……マジかー、わざわざ これ見よがしに魔力解放しちゃったのに……。

『あ、後……お前がちゃんとこの城について教えてやらなかった所為で 雷志と理羅がどうなってるでしょうか〜???』

放送の音声と共に聞こえてくる、チェーンソーの回る音。

「はああぁぁぁ!?!?!?」

これ、絶対 ヤバい奴だよな⁇
だって、チェーンソーとかあの類の機械音がしてるし。

「林猫、どうしよう……俺、2人を迎えに行った方がいいよな⁇」

「俺のことは放っておいていいから、2人の元へ行ってやれ。」

俺は頷いて、屋上まで繋がっている階段を駆け上がった。

雷志・理羅、そしてロード 3人の居場所は恐らく アソコだろう。

思い当たる部屋がある。

そこを目指して……少しでも早くに辿り着けるよう 走った。
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