eternal destiny
それにしても、さっき
"どうせ、お前には 俺の痛みも苦しみも……哀しみも分からないんだ。"
って言った時のロードの顔が目に焼き付いて離れない。
どう表現したらいいのかも分からない。
ただただ、苦しそうで哀しそうで……何もかも、この世の全てに対して 絶望したような顔。
俺は衛兵たちに引きずられてドアを通った。
そのまま、異空間を通り 下界……中央広場に来た。
広場に来て、すぐに磔台が見つかった。
そこまで、衛兵たちに引きずられ 手から順番に磔台にはりつけていかれた。
……本当に衛兵たち、壊疽していっている。
顔を苦痛に歪ませながら、ただひたすらに手を動かし続けている。
ほとんどが服とかで見えないけど、顔の色が少しずつ変わっていっている。
2〜3分して、衛兵たち全員が手を止めた。
そして、その場で お互いを打ち合って、自害した。
……その現場を見た俺には涙も出なかった。
どんどんと出てくる血を見ても、なんとも思わなかった。
ただ、あぁ……死んでしまったんだな、としか思わなかった。
死んでもなお、壊疽が続いているようで 10分ほどすると見えている肌全ての色が変わっていた。
肌の色が変わり切った、そう思えば、今度はみるみる身体が薄くなっていった。
5分もしないうちに身体が消滅してしまった。
ここまで早い消滅を見るのは初めてだ。
飛び散ったほんの少しの血痕だけが、衛兵たちの存在を証明している。
そういえば、人は2回死ぬ……とかって聞いたことがある。
1回目は、その人の命が尽きた時。
2回目は、誰からも忘れられた時。