Destiny
呆けていると、長い溜息をつきながら「キョウ」が戻ってきた。
「オトモダチ、今トイレで吐いてるから。
ちょっと休んだら普通に帰れると思うよ」
「はっ、はい…!本当にご迷惑をおかけしまして…」
「別に。俺はトイレまであの人運ぶの手伝っただけだし。
あとあの人が寝れるようにして、あの人に飲ませる薬と水用意するだけ」
「ああああ、本当に申し訳ないです…!」
「…ふっ」
キョウは、口元を歪ませた。
少し捻くれたような笑い方。
「あんた、素直なんだね」
「へっ…?」
「ほら、座りなよ。そんなとこ突っ立ってないで。
あんたにもなんか出してやれってマスターから言われてるから」
「そ、そんな…っ」
「まあ、作るの俺だから。そこは申し訳ないけど我慢ね」