Destiny
店では見れないキョウに、菜々瀬からも笑みがこぼれる。
「二人は? いつから一緒なの?」
「んーと、高校だよね?」
「うん、2年に上がってクラスが一緒になって、席が近かったのがきっかけ」
「へえ、高校…」
ケンがちらりとキョウに視線を遣ったことに気づいたのは菜々瀬だけ。
キョウは話に興味が無いと言わんばかりに視線をあさっての方向に向けていて、ケンもいつの間にか芹との会話に戻っていた。
「あっ、お店ここです!」
「おー、雰囲気いいね。結構混んでそうだけど入れるのかなー」
ドアを開けると、店の中は人々で賑わっていた。
カップルや若者の集団が多い。
「いらっしゃいませー! 4名さまですか?」
「あーいえ、2組なんですけど…」
「すいません、只今大変混んでおりまして…
4名さまでしたらボックス席でご案内できるんですけど、
2組ですとご予約のお客さまの関係でご案内できないんですよ」