Destiny
ぶっきらぼうにそれだけ告げて、さっさと歩いて行く。
ケンはというと、まあ悪い傾向ではないからいいか、と肩を竦めていた。
―・・・
「キョウくんってめっちゃ食べるんですね…?!」
「ん?普通でしょ」
「おまえの普通はおかしいの。こいつね、すげー食うよ。
一緒に焼肉行った時なんか、一人で3,4人前ぺろっと食った上にちゃっかりデザートも平らげてんの」
「何でそれでそんなに細いんですか!」
「知らない。俺が聞きたい」
「憎たらしいよなー。飯代がかさむったら」
「これうまい。おかわりする」
「「まじか!」」
芹とケンの声が重なって、キョウの表情がふっと緩んだ。
ふと正面を見ると、にこにこと微笑んでいる菜々瀬と目が合う。
「何?俺見ても腹は膨れないよ?」