Destiny
「はい!かなり前っすけど、俺が紹介したんす。
ちょっと前に「辞めた、ごめんね」って連絡来てましたけど。
今は別のことやってるらしいっすよ?マスターの勧めで」
「…あのサキが人の言うこと聞くとか…」
「信じられないっすよね!俺もありえないと思ったっす」
サキを一言で喩えると、ケン曰く「大人しい暴れ馬」。
意味が解らないと思われるだろうが、
当時のサキを知る者は口を揃えて「ああ…」と頷く。
「…あいつ、元気でやってんの?」
「さあ…俺も何してるかは知らないんすよ。
サキさん、基本連絡取れませんし。マスターもいずれわかるーって。
キョウさんとかケンさんとか、連絡取ってないんすか?
お二人なら取ろうと思えば取れるっしょ」
「…ケンとはずっと一緒にいるけど、サキとはあれっきり。
なんかみんなバタバタしてたし、連絡しようとも思わなかった」
「あー、まあ…あそこ抜けて社会に出ようとしたら、色々大変っすよね。
俺も落ちついて商売できるようになったの最近だし」