ハンバーガーと私とガールズラブ
 私はカッターをポケットにしまうと言った。


「早く、言え。」


「せ、先輩、ねぇ、やめて、先輩、私、本当に何も知らないの。」


 私は呼吸を落ち着かせながら、それでも穂波ちゃんを睨んだ。


「まだ、しらばっくれるの?」


「なんで、なんで信じてくれないんですか?」


 穂波ちゃんは泣き出す。


 こいつ、まだ知らないふりをするのか。


 悪魔だ。


 子供みたいな小さな身体をしていて、油断させて、人を食い物にする悪魔だ。


「先輩、しん、信じてよぉ。話を、聞いて」


「うるさい!」


 私は倒れている穂波ちゃんに言った。
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