ハンバーガーと私とガールズラブ
 その時、家のチャイムがなった。


 アイリだな。


 私は玄関に行くと、チェーンを外して、ドアを開ける。


 だが、ドアの外には誰もいなかった。


「アイリ?」


 その時、物陰から突然、私に飛び掛ってきた影が……


「こらこら、ちょっと無用心じゃないですか~ アイリが泥棒だったらどうするの~。」


 アイリだった。


 おどけて私に襲い掛かる。


「ちょ、ちょ、アイリ、くすぐったいって。やめてよ。」


「ふふーん? 冗談抜きでもうちょっと警戒品よ。とりあえずお邪魔しまーす。あれ? キー子のパパとママは、まだ帰ってない感じかな? 今日遅いの?」


「うん、たまに忙しい時期になって、ふたりとも帰ってこなくなる日が続くみたい。弟が入院した時に抜けてきちゃったから、それも大変みたいで。」


「ふ~ん。」


 アイリは鞄をごそごそすると、なにやら機械を取り出した。
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