ハンバーガーと私とガールズラブ
 酷い。あんまりだ。


 でも、アイリらしいや。


 まだ顔が痺れてぴりぴりしてたけど、笑った。


「キー子、よだれ」


 ミホが私の口元を拭く。


「ごめんな、キー子。アイリから、全部聞いた」


「ううん。良ひ、ミホ。でも、なんへ? なんで、まな板、なの?」


 まだ舌が上手く動かない。


 声が勝手に震える。


 でも、ミホにはちゃんと伝わったみたいだ。


 ミホが頭をかきながら言う。


「だって、ベースで殴ったら死んじゃうだろ?」


 いやいや、そうだけど、だからなんでまな板なんだ? どっから持ってきた?


 と思ったら、見覚えがあった。


 私の家からかよ!


 あたしは痺れる顔を歪ませて笑った。


 いや、でも、そんなことよりも。


 わたしはなんとか立ち上がろうとして、出来なくて、それでもなんとか身体を起こそうとした。


「ほなひ、ほあ、ほなみ、ちゃん?」


「私は大丈夫ですよ先輩。服の下に薄いですけどゴム板巻いてましたから」


 穂波ちゃんは、涼子さんの腕を後ろに回し、両手の親指を紐で縛っていた。
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