ハンバーガーと私とガールズラブ
 私はチーズハンバーグを箸で食べやすい形にカットし、口に運んだ。


「手作り!?」


 なんと言うことか。


 この味、市販で売っているものとは違う。


「お、美味しいですか?」


「美味しいです! シェフ!」


 穂波ちゃんは雄たけびのような私の『シェフ!』の叫びに一瞬だけ体を強張らせたが、すぐに緊張を解き、それから「良かった~」と眩しい笑顔を見せた。


 私は食べるのが夢中でそれどころじゃなかった。


 たまご焼きは出汁の旨味が生きていて、しかも半熟。


 タコさんのウインナーは焼き加減が絶妙でタコさんの足の先が下に触れた瞬間、その鋭敏な質感に私はもう……


 ご飯も箱に敷き詰められていたが、食いしん坊な私にはちょうど良い。


 ポテトサラダなんて言うまでも無い。


 滑らかな舌触り、コクのある味付け、まさにパーフェクト!


 うまい! うまい! うまい! の三拍子だ。
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