ハンバーガーと私とガールズラブ

「ごちそうさまでした」


　私は一気に食べた。


　欲望のまま、その美しさを味わい、貪り尽くしたのだ。


「本当に美味しかった！　穂波ちゃん、私の嫁に」


　といつもエリに言うみたいな冗談を言いかけて、ハッとした。


　そのワードはやばい。シャレにならない。


「ヨメニミコス大統領がジャマイカ共和国に行った時の話なんですが！」


「え、え？　ジャマイカ共和国ですか？」


　ふー、危ない。


　ヨメニミコス大統領って何だよ。って言うか誰だよ。


　私はしばしの休憩の後、「じゃ、じゃあ、そう言うことで！　どうもありがとね！」と、お弁当箱を返し、その場を逃げるように後にした。


　そして、教室。


　まだ落ち着かない私は、さっさと昼休み終われ！　と願ったが、もちろん、昼休み終了まで五分ほど残っていた。


　と、時計を確認してから席に着くと、エリが沈んだ顔でいるのに気づいた。


「どうしたの？　エリ？」


　エリは静かに首を振ると、机にうずくまった。


　どうしたのだろうか。


　まさか、荒井の奴、何かしたのか？