ハンバーガーと私とガールズラブ
 荒井が私を連れて行ったのは米川神社だった。


 米川神社は、夏休みにお祭りが開かれるような神社ではない。


 ちょっと寂れた、鳥居と社だけがある、何を祭っているのかはわからないけれど、とりあえず神社だ。


 神社手前の石段が高く、酷く疲れるので有名である。


 しかも、石段と言っても、ただの石でできた階段で、幅が狭く手すりも無い。


 とりあえず、私達は神社まで登りきった。


 登りきって早速、「で、何よ?」と、息を切らせながら、私は荒井に質問した。


「ちょっと、待って、息が。」


 荒井も呼吸が苦しそうで何も言えないみたいだ。


 って言うか、何でここにしたんだ。


 すごい疲れたじゃないか。


 足がくがくだよ。


 荒井のバカ野郎め。


「じゃあ、私の方から聞くけどさ、あんた、エリに何したのよ」


 くそー、まだ呼吸が落ち着かない。


 イライラするし、ムカムカする。


「俺は、何もしてねぇよ。」


「何もしてないって何よ! お弁当、もらったんでしょ?」


「食べなかった。」


「は?」


「だからお弁当もらったけど何もしてないって言ってんだろ? 食べなかったって。」


 意味がわからない。


 こいつ、あの美少女なエリの、せっかくの、手作りのお弁当を断ったって言うのか?


「なんでよ?」


「迷惑なんだよ。ああ言うの。」
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