ハンバーガーと私とガールズラブ
 風の音がざわざわと激しく騒いだ。


 今、なんて言ったの?


「は?」


「お前だよ。俺、お前のこと好きなんだ」


 目の前が真っ白になった。


 何言ってんだよ、荒井。


「お前さ、自分じゃ自分のことあんまり可愛くないとか言ってるけど、そうとう可愛いよ。性格だって豪快でさ。飯一杯食うし、元気だし。ずっと見てても、全然飽きない」


「な、なな、何を言って」


「なぁ、俺とつき合ってよ」


 意味がわからなかった。


「で、でも、だって、え」


 私は混乱しすぎて、言葉が何も出てこない。


 いつの間に私は社の壁に背中をぶつけていて、私は知らず知らずのうちに後ずさっていたことを理解した。


 って言うか、荒井の息が顔にかかる。


「好きなんだよ」


 もう一度言われた。


 どうしよう。と思いつつ、逃げ場所が全然無い。


 今気づいたが、私の右側に荒井の右手がある。


 壁ドンって言うんだっけ?


 壁に手をついてて、通れない。


 左側には荒井の肩がある。


 無理すれば通れそうだけど……


 って言うかほとんど抱きつかれてる!?


 ええっ、ちょ、荒井の顔が近い。


 荒井がそっと目を閉じて、荒井のクビの角度が変わって……


 ちょ、ちょ、待っ……
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