ハンバーガーと私とガールズラブ
 そうしてエリは行ってしまい、私はそこでしばらく泣き崩れていた。


 でも、夜はすぐにやってきて。


 あたりはすぐに暗くなった。


 私はようやく止まった涙を腕で擦りながら、家へ歩いた。


 風はまだ夏みたいに暖かいのに、一足速い秋の虫がリンリン鳴いていて。


 私は汗なのか涙なのか、鼻水なのかわからないくらいぐちゃぐちゃの顔で、ひたすら歩いた。


 メール着信のメロディが胸元から鳴って、私はポケットから携帯電話を取り出す。


 エリからかと思った。


 誤解だったんだよ。わかったから。酷いこと言ってごめんね。


 そんなメッセージが来たのかと、期待した。


 だけど、差出人は弟だった。


 帰りが遅いので連絡したみたいだった。


 お母さんとお父さんが、夜デートで外に出かけているので、ご飯がないみたい。


 チーズバーガー買ってきたから早く帰って来い。


 そんな内容だった。


 でも、お腹が全然空いてない。


 とてもじゃないけど、食欲が無い。
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