ハンバーガーと私とガールズラブ

私と一生懸命な貴女

        ☆


 翌日。


 リンリンうるさい目覚まし時計が鳴って。


 私は布団を跳ね飛ばし、背を伸ばす。


 カーテンの隙間から眩しい金色の光。


 いつもと変わらない朝。


 まだ起きて来ない弟を起こして、お母さんの作った朝ごはんを食べる。


 ベーコンエッグには何もかけない派の私。


 だって、ベーコンの旨味と塩分にとろーりまったりとした半熟の黄身がソースのように絡まりあい至高の官能世界へ……うへ、うへへへ。


 ……おっと、いかんいかん。


 美味しい朝ごはんに、ギリギリまで新聞を読むお父さん、ギリギリまでテレビを見てる弟を残して家を出る。


 弟は一つ下の学年で同じ高校だけど、一緒には登校しない。


 だって、なんだか恥ずかしいもん。


「おはようございま~す」


 私は道ですれ違う涼子さんに挨拶をした。


「おはよう、キー子ちゃん、今日も元気だね」


「えへへ、それだけが私のとりえですから」


 私は笑顔でその場を離れる。
< 7 / 166 >

この作品をシェア

pagetop