ハンバーガーと私とガールズラブ
「って言うかさ。ドン引きなんですけど。女同士とかさ、気持ち悪いし不潔じゃん」


「ふ、不潔じゃないよ!」


「なんでそこで擁護するかな……洗脳でもされてるの?」


 弟はふーッとまたため息をついて、それから言った。


「ちゃんと言えば良いじゃん。私はガールズラブには興味ないし、付き合えませんって。手紙の返事って名目でさ。女同士なんて気持ち悪いってちゃんと言えば良いじゃん。」


「それは……」


 正直、穂波ちゃんが悲しむ顔を見たくない。


 穂波ちゃんは、まっすぐな女の子なだけなんだと、私は信じてる。


 思い込んだら、一直線で、だから……


「俺から言おうか?」


「ううん。それはだめ。」


 私は首を振って答えた。


「自分でちゃんと言うから……」


 私はその日はその後、ずっと穂波ちゃんのことを考えてた。


 出さなきゃいけない答え。


 あいまいにしていた自分。


 助けてくれた穂波ちゃん。


 ……ああ、だめだ、ちゃんと答えださないと。


 そうして翌日。


 私は穂波ちゃんに答えを出せないまま、何も言えないまま、自宅の前にいた穂波ちゃんと一緒に登校した。
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