ハンバーガーと私とガールズラブ
 私は飛び起きた。


 全身、汗びっしょりになっていた。


 当然、現実の世界では、さっきの夢なんかと違って、診察を待つ患者さんの姿も、看護師さんの姿もあって、近くにお父さんとお母さんも座ってる。


 穂波ちゃんの姿も当然、無い。


 携帯電話を取り出すと、私は時間を見た。


 本当は電源切らないといけないと思うんだけど、サイレンとモードにしてるし、良いよね。


 と、そうだ。時間を見ないと。


 うん。私が横になってから、3時間も経ってる。


 さっき見た夢。


 穂波ちゃんはすごく怖かった。


 大丈夫だ。


 あんなの嘘だ。


 穂波ちゃんが私にあんなこと言うわけないし、全部夢だ。


 私は安心すると同時に涙が出てくるのを感じた。


 穂波ちゃんのあんな怖い顔、見たことない。


 きっと、私が脳内で無意識的に勝手に思い浮かべた顔なんだと思う。
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