信じる強さ

「もういい?帰って」

「もう遅せぇし泊まってけ」

「…そーする」

「俺もさ…こんなとこ住んでっけど
親なんかいないよーなもんだ
母親は俺を産んですぐに死んだ
父親はそんな俺を大事に育てた
自分に女ができるまではな
今は教育評論家とかやって
まぁまぁ稼いでる…それで一応親
だからこんな家用意して金も全部工面
してくれてるっつーわけ」

「似てるね」

「福丸の家に行ったのは
その時の友だちがいてそいつに会いに
行ったらお前がいたってわけ」

「ふーん」

「ま、話してくれてありがとな
ねるか?」

「んなことより腹減った」

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