成仏探偵!〜青年編〜
 「あれ?確かあなた、私の記憶見てたわよね?金持ちなのわかってたわけじゃないの?」
               「見れる記憶はごくわずかですから…。」
               とりあえず二人は、人が誰もいない集会所のベンチに腰掛けた。
               「幸子さんのお母さんは、もちろん僕のことは知りませんよね?だから、僕と幸子さんのなんらかの関係を作らないといけないわけです。」
               「そうよね。じゃ私の働いていたペットショップのアルバイトだった…という設定はどうかな?」
               青年は幸子の案に同意し、幸子の実家へと足を運んだ。
               そしてインターホンを押してすぐに幸子の母親が出てきた。
               「はい?どちら様ですか?」
               幸子の母親は少し頬が痩けていた。娘の幸子が亡くなって三日しか経っていないのだ。無理もない。
               「母さん…。痩せちゃったね…、ごめんね…。」
               幸子は申し訳なさそうに言った。
               「あっ、僕は幸子さんと同じペットショップで働いていた者です。葬式には僕自身入院してて、行けなかったんです。線香だけでもあげさせてもらっていいでしょうか?」
               幸子の母親は涙ながらにうなずき、青年を家に招いた。
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