君が笑ってくれるまで
遼にはいつか話さないといけないと思っていたから、ちょうどいい、そう思って俺は話し始めた。
「遼、俺は本当に一ノ瀬玲を知らない。小向井凛。それが俺の知る彼女の名前だ。俺はテレビも雑誌も最近全く見てないから、どんな人が有名なのかとかも全然知らない。だから、今日遼がその雑誌見せてくれて、初めて気づいたよ。」
「お前、マジか....テレビくらいみろよな。一ノ瀬玲は、今人気のモデルだよ。10代のモデルの中で今一番旬なんじゃない?売りは、影がある美しさ。なんてゆうか、言葉では表せない暗さが、彼女をまとってるような感じがするんだよね〜その感じも、またたまらないというか。すごい美人で、スタイルバツグン。俺もファンだよ。」
遼はいっきにまくしたてるように話してくれた。
俺は雑誌に目を落とした。
確かに、そこで微笑む凛は、本当に美しかった。
でも、そこにあるのは俺が知ってる昔の凛の笑顔ではなかった。
影がある美しさ.......
「礼央!おい!聞いてんのかよ!とりあえず、お前が昨日あってたのは、一ノ瀬玲に間違いないだろ?たぶん本名は、小向井凛なんだな。」
「そうだよ。凛とは、幼なじみなんだよ。それだけ。久しぶりに会ったから、ちょっとしゃべってただけ。それよりお前、昨日ナンパした子とはなにもなかったのか?」
俺は、遼に話すのをやめた。
凛のサインをもらってほしいとか頼まれたら困る。
「あぁ、、昨日の子は、彼氏いるから無理って言われた。そこで、お前探してたんだよ。今日は、カラオケでも行こうと思ってさ。でも、お前いないしさ......」
「ごめんって。でも、俺メールしたよな?急用あるから帰るって。」
「そんなん見てねぇよ。んで、ぶらぶらしてたら、お前が一ノ瀬玲としゃべってるところをみたってゆうわけ。」
遼は、なにに対してなのか、すごくイラついている。