君が笑ってくれるまで
授業が終わって、遼が俺の机にやってきた。
「さすがアメリカ帰りの天才少年ですね〜。杉浦ももう2度とお前のこと当てないんじゃない〜?」
「どうかな?杉浦はなかなかしつこいからまた当ててくるかもね。それより、遼、お前も寝てただろ。」
「あは、ばれた??」
河内遼は、俺とおなじ成章学院高校2年だ。遼とはこの2年のクラスになってから仲良くなった。
この学校は、高級住宅街のど真ん中に建つお坊っちゃま、お嬢様ばかりが通う超金持ち学校だ。
周りはみんなどこかの会社の社長や部長の子息だ。
遼もどこかの大きな会社の社長の息子らしい。
でも、それを感じさせない遼の軽い感じが俺は好きだった。