ドSな君の、恋愛講座。
二つ目の理由、それは『アレ』があるからだ。

口に出して言うのも嫌だ。

「わかったってば!ケチ!」

そう言って口を尖らすさく。

そんな姿もたまらなくかわいい。

「大和は私の文化祭、来るんだよね?」

確か梓の双子の姉がいるんだっけ?

さくの学校生活なんて小学生の時以来見てない。

こいつが女子校でほんとよかった。

そうでもなきゃ、気が気でない。

「ちゃんと紹介しろよ、彼氏ですって。」

笑いながら言ったのに、さくは神妙な顔つき。

「さく?」

「ううん、なんでもない!」

こいつが何でもないっていうときは大抵なんかある。

嘘をつくのが下手なんだ。

幼なじみなんだから、そんなのお見通しだって。

「大和は、どうして私と付き合ってくれてるの?」

なんだか泣きそうな顔でそういったさく。

どうしてって…

「私に恋愛に前向きになってほしいから?それともからかってるから?」
< 105 / 186 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop