ドSな君の、恋愛講座。
さくに恋愛に前向きになってもらうのは困る。

だって俺のものにしときたいから。

さくが他の男と付き合うなんて、考えたくもない。

「ねえ、大和?」

さくはそんなこと知らなくていい。

だから早く、俺の気持ちに気づけよ。

こんなに好きなんだ。

お前だけが、こんなにも好き。

ずっと昔からさくしか見てない。

大きな迷いのない目で見つめてくる。

それを遮るように、さくにキスをした。

最初は抵抗するようにバタバタしてたけど、そのうち力が抜けたのか大人しくなって。

俺にされるがまま。

「…んっ!や、…まと…」

そんな甘い声で俺の名前を呼んで。

こっちがおかしくなりそうだ。

「さく、…好きって言って。練習。」

嘘でもいい。

無理矢理でもいいから、練習でいいから。

さくの声で、口で、俺のこと好きだって言ってよ。

「やだっ…」

「言えよ…っ…」

言わないなら、もっとキスするだけだ。
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