ドSな君の、恋愛講座。
それから夏休みは半ばを過ぎ、俺とさくは駅にいた。

「みー君、勉強教えてくれてありがとう!おかげで少しだけ数学できるようになったよ!」

「桜子、頑張ったもんな。夏休み明けのテスト、期待してるな!」

そう言ってさくの頭をポンポン撫でる。

するとさくは照れたように顔を赤くして、瑞希を見上げる。

「瑞希、そろそろ電車来るよ。」

二人を引き離すため、そんな話題をふる。

「あ、ほんとだ。じゃあな、桜子、大和。」

そしてホームに向かいかけた。

のに、また戻ってきて俺のそばにきて小さな声で言った。

「桜子のこと、大切にしてやれよ。お前ら、本当に付き合えるといいな。」

えっ?

なんで俺達が本当に付き合ってないこと知ってんの!?

隣で不思議そうな顔をするさくを見る。

もしかして、こいつが言ったのか?

「お前素直じゃないからな。さくに優しくしてやれよ。」

それだけ言うと瑞希はもう一度さくに手を振り、今度こそホームの中へ入っていってしまった。
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