ドSな君の、恋愛講座。
優しく、か。

やっぱりさくも優しい男が好きなのかな。

でも今さら俺が優しくなったら、なんか気持ち悪いよな。

「みー君、行っちゃったね。」

名残惜しそうに改札口を見つめるさく。

瑞希がうらやましい。

さくはもし、俺がどこかへ行くことになったとしたらこんなふうに悲しんでくれるの?

「大和、帰らないの?」

気がつけば俺の顔を見上げるさく。

なあ、さく。

やっぱり俺、お前がほしい。

みっともない独占欲でもいい。

さくにそばにいてほしい。

契約でも、嘘でもいいから。

何でもいいからさくの一番近くにいたいんだ。

だから、俺のそばにいて。

そんな思いでその小さな手をつなぐ。

びっくりしたように俺を見上げると、その後俯いてしまった。

なんだか最近、様子がおかしい。

うまく言えないけど、前と違うさく。

特にあの夏祭りの後の辺から。

何があったんだ?

もしかして、好きな奴でもできたのか?


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