ドSな君の、恋愛講座。
「スキありっ!」

パーンと小気味良い音がして、気がつけば目の前には突きつけられた竹刀。

「やったー!大和から一本とった!」

「こら!大和!稽古中にボーッとすんな!」

やべ。

じいちゃんがめっちゃ睨んでる。

「先生、俺、大和から一本とったよ!」

「よし、その調子で頑張れ、祐太!」

小学四年のガキに面取られるとか、情けない。

剣道にさえ集中できない。


「なあなあ、大和!稽古のあと宿題手伝ってよ!一本とれたら何でも言うこと聞くって言ったろ?」

竹刀を片付けながら言うのは近所に住む小学四年の祐太。

「お前な、明日から学校だろ?どんくらい終わってないんだ?」

「ワークと、感想文。あと、絵日記!」

全然やってねえじゃねえか!

今日はこのあとさくの部屋に寄ろうと思ってたのに。


「大和、最近元気ねえじゃん。彼女と上手くいってないの?」

ワークを開いたはいいけど、さっきから余計な話ばかりして全く手が動いてないんだけど。
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