ドSな君の、恋愛講座。
リビングには俺とさくの二人だけ。

すみれさん、どっか行ってんのか?

今日はお茶会の日だっけ。

「…ん…」

寝返りを打ったさく。

さっきまで向こうに向けていた顔がこちらに向く。

この前とは逆の状況だ。

さくが寝てて、俺がそれを見てる。

あの時さくは俺に何かしようとしたの?

こんなふうに、頬に手を伸ばしてたよな。

はぐらかしたけどバレてたっつーの。

そっと柔らかくてすべすべした白い頬に触れてみても全く起きないさく。

…かわいい。

なんでこんなに可愛いんだ?

どうして俺はこいつのことしか好きになれないんだろう。

さくのこと、忘れたくて彼女を無理やりつくった時もあったけど、やっぱりだめだった。

俺にはこいつ以外、考えられないんだよ。

もうずっとずっと好きなんだ。

「…好きだよ、さく。」

聞こえるはずもないのに口にしてみる。

心なしかさくの口角が少し上がった気がした。

寝ながら笑ってる。
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