ドSな君の、恋愛講座。
前の席に座っていた女の子たちの会話。

私達はみんな、顔を見合わせた。

「とくに速水先輩と一ノ瀬先輩、かっこいいよね!なんかもう、次元が違うもん。」

「わかる!でも私、一ノ瀬優先輩の方もいいと思う!この前もね、荷物運ぶの手伝ってくれたんだ!」

大和たちってそんなに人気なんだ…

ん?

何このモヤモヤ。

そんなことより、劇に集中!

「続いては、二年B組による劇、『あずさずきん』です!」

えっ!?

あずさずきん!?

ていうことは、まさか…

「みなさん、こんにちは!わたしはあずさずきん!」

舞台の上にライトで照らされながら出てきたのは、紛れもなくいや、女の子に見えるけどあれは…

「あ、梓君!」

私達の声は綺麗に重なる。

赤いずきんをかぶって、手にかごを持って、フリフリのエプロンまでつけているけど、あれは梓君だ!

確かに女の子顔負けの可愛らしい顔立ちの梓くんだけどよくこの役受けたな…
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