ドSな君の、恋愛講座。
パンフレットとにらめっこしながらどうにかこうにかトイレにたどり着く。

手を洗い終わって、鏡に映る自分になんとなく目が行く。

子供っぽい。

この学校の人たち、男の子も女の子もみんななんだか同年代には見えないくらい大人っぽい。

大和はこんな学校で毎日過ごしてるんだ。

それにきっと、すごくモテてるんだ。

なんだか落ち込んじゃう。

…ううん!

今日はせっかくのお祭りだよ!

暗い顔してちゃダメ!

気合を入れなおすと、トイレから出る。

ドンッ…

出た瞬間、何かにぶつかって思わず尻餅をつく。

「す、すみません!大丈夫ですか?」

可愛らし声がして、顔を上げるとそこには春日台高校の紺色のブレザーを着た女の子。

私は慌てて立ち上がる。

「大丈夫です!わたしこそ、前見てなくてごめんなさい!」

「いえ、私が走ってたから…本当にごめんなさい。」

そう言って頭を下げると、少し茶色のふわふわ綺麗なパーマがかかった髪が流れるように肩に落ちる。
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