ドSな君の、恋愛講座。
私なんて大和の彼女でも何でもない。

付き合ってないんだから、関係ないのに。

なのになんでこんなに苦しいの?

なんでこんなに傷ついている自分がいるの?

「さく!」

後ろから手を引かれて、ふりかえると心配そうな顔をしたみんな。

せっかくみんなで楽しんでいたのに、私のせいで台無しだ。

「ごめんね、わたし…」

「俺らこそごめん!でも付き合ってたって言っても前のことだし、今は付き合ってないよ、あの二人。な!ヒロ!」

「お、おう!だいぶ前に別れたって言ってた!」

気を使わせちゃって、最低だ、私。

「みんなは戻って!ね!私もすぐ行くから!」

夕姫ちゃんの背中を押して、みんなが体育館の中に入ったのを見届けると、私はトイレを目指した。

冷たい水でバシャバシャ顔を洗うと少しだけ気分が落ち着いた。

大和、あんなかわいい人と付き合っていたんだ…

しかも去年の、ミス。

あの人と付き合ってたのに、なんで今は私みたいなやつの相手をしてくれてるの?


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