ドSな君の、恋愛講座。
目の前にいて、キスしているこの人はさっきまで舞台上でキラキラしていた大和。

「…さく…もっと、ちゃんとして。」

やっと唇を話したかと思えば、そんなことを言ってまた塞がれる。

ちゃんとしてってなに?

こんなキス、知らない。

「やっ…やめ…んんっ…やまっ…」

苦しい!

そしてガクンと腰が落ちて、廊下に座り込みそうになったわたしの体を大和が支えてくれる。

「…感じてんの?」

そう言って私を見下ろす大和の目は、妖艶で、色っぽくて、逃れられない。

「練習、好きって言えよ。」

そしてまた、そんなことを言う。

無理だよ、だって練習にできないもん。

私は本当に大和のことが好きなんだ。

「言えよ…さく、桜子…」

いつもはさく、としか呼ばない大和にそんなふうに名前で呼ばれると、なんだかもっともっと、こう、なんていうか…

「大和が、好きっ…!」

練習じゃない。

本当大和が好き。

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