ドSな君の、恋愛講座。
大和が好き、大和が好き…

止まらない。

「なかなか様になってきたじゃん。ご褒美。」

そう言うとまた私の腕を掴み、顔を近づける。

そして耳元に口を寄せた。

「俺もさくが好き。」

この言葉もウソ。

練習で言ってるのに、なのにわたし、嬉しくなっちゃう。

本気にしちゃダメなのに。

悲しいよ、辛いよ…

大和、好き。

そんな思いを込めて大和の服の裾をぎゅっとつかむ。

♪ピーンポンパンポーン『二年B組、速水大和君、至急体育館に戻ってください。繰り返します、二年B組、速水大和君、至急体育館に…』

突然流れる校内放送。

やっと大和は私から離れる。

「ちっ…だりぃ。」

軽く舌打ちをすると、私の方に向き直った。

「ほら、行くぞ。」

手を差し出され、何も言えずにその手をとってしまうを

「大和、ミスター候補なんだね。」

「だから来てほしくなかったんだよ、ミスコンとか、くっだらねえ。」
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