ドSな君の、恋愛講座。
でもそれじゃあ、大和がシャツ一枚になっちゃう。

いくら10月だからって夜は寒いんだから。

「いいよ、私これ、ちゃんと返す約束したし、大和が風邪引いちゃう。」

すると大和はまたもやはあっと大きくため息をついた。

「俺が嫌なの。さくが他の男のパーカ着てるのが。」

そう言うと半ば強引にわたしからパーカを剥ぎとった。

そしてバサッと自分のブレザーをわたしの肩にかける。

「ほら、急ぐぞ。」

私はその大きなブレザーを着ると、大和のあとに続いた。


体育館に入るとさっきよりもさらに熱が上がった会場。

「さあーて、いよいよミスター&ミス春日台の決定です!投票してくれた皆さん、ありがとーう!」

司会の人のテンションもマックスで、会場はわあっという歓声に包まれた。

「大和!どこ行ってたんだよ!係の人、めっちゃ探してたぞ!ほら、早く舞台に上がれよ!」

梓くんが大和の姿を見つけると舞台を指さしながら言う。
< 134 / 186 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop