ドSな君の、恋愛講座。
私のとっさに組んだ手も虚しく、スポットライトが大和に当てられる。

「なんとなんと、カップルでの受賞になってしまいましたね!おめでとうございます!一言、どうぞ!」

…やめてよ…

「きゃー!素敵!あの二人、すごい美男美女だもんね!」

「ほんとっ!お似合いすぎる!」

やめて…!

「そうですね、このミスターの称号、俺のヤキモチ妬きな彼女が喜んでくれるか心配ですね。」

マイクを傾けられた大和の声が体育館内に響く。

「おおっ!さっそくのろけですか!でもカップルでミス&ミスターなんて伝説ですよ!」

もう、やだ…

惨めすぎる私。

この場から早く消えたい…

「いえ、俺の彼女は永峰さんじゃありません。」

その声に下を向けていた顔を上げる。

大和はニッコリと笑うと、舞台から飛び降りた。

人混みを抜けながらこちらにまっすぐ向かってやってくる。

起こってることに頭がついていかない。
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