ドSな君の、恋愛講座。
スポットライトが大和を追っている。

その光の強さに、目がチカチカして。

「さく、また泣いてんの?」

「や、まと…」

目の前には大和の顔。

さっきまで舞台にいた、大和だ。

「俺の彼女はこいつです。」

追いかけてきた司会の人のマイクを奪い、よく通る声でそう言うと、私の肩をぐっと自分に引き寄せた。

周りから悲鳴にも似た歓声が聞こえる。

「誰あの子!?速水君って花恋先輩と付き合ってるんじゃないの!?」

「うちの学校の子じゃないよね?あのセーラー、すみれが丘?」

みんなの視線が集まってくる。

それでもわたしの頭は今の状況を理解できてなくて。

「さく、逃げるぞ。」

大和が私の耳元で囁いたのと同時に強く手を引かれた。

走りだしたその足に必死についていく。

その足がやっと止まったろうかの隅についた頃にはわたしは息切れをしていて。

なのに大和はいつもの余裕な表情。

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