ドSな君の、恋愛講座。
ようやくさっき起こったことも理解し始めていた。

大和はみんなの前でわたしと付き合ってるって言ったんだ。

でもそれは、本当じゃない。

私と大和は本当に付き合っていないのに。

でもね、嬉しかった。

私のところに来てくれて。

私のこと、嘘でも彼女だって言ってくれて。

だからね、大和。

私、もう決めた。

もう迷わない。

「大和、私たち、別れよう。」

大和の目を見てはっきりという。

大和は驚いた様子もなく、口を開く。

「なんで?」

「私、好きな人ができた。だからもう大和に恋愛を教えてもらわなくても大丈夫ですから!」

うまく笑えてる?

ちゃんと明るい声、出せてる?

大和はこんなウソ、信じてくれるのかな?

でも好きな人ができたのは嘘じゃないよ。

私の好きな人は、今目の前にいる。

だからこそ、別れる。

別れて、ちゃんと好きになってもらいたい。

私のこと、契約じゃなくてちゃんと好きになってもらいたいから
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