ドSな君の、恋愛講座。
冷たい目。

私に触れる手もいつもと違って乱暴で。

まだ指先が震えてる。

ねえ、大和。

やっぱり私達、もう元には戻れないの?

幼なじみの二人にすら戻ることはできないのかな…


嫌なことは重なるもので。

学校からの帰り道、いつもの電車でボーッと立っていると目の前に現れた人影。

「久しぶり、桜子。」

「あ…」

私の前に立っていたのは数ヶ月ぶりに話す斎藤君。

私、この人と付き合っていたんだ。

斎藤君と別れてからいろんなことがあったな…

「元気してた?あ、ここ座んなよ。」

わざわざ自分の隣の席を薦めてくる。

「いいよ、もうすぐ駅つくから…」

それに、私まだわかれた時に言われた言葉、忘れられないよ。

すごくすごく傷ついた。

あの時も話を聞いてくれたのは大和だった。

「いいから、座れよ。」

ぐいっと無理やり腕を引かれる。

「やっ…!」

その乱暴な仕草に昨日の大和を思い出して体が拒否してしまう。
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