ドSな君の、恋愛講座。
「おい、嫌がってるだろ、やめとけよ。」

頭上から落ち着いた声がして、顔を上げるとそこには見たことのある顔。

有川、圭吾君だった。

「なんだよ、お前!関係ないだろ!」

「これ以上すると駅についてからどうなるかわかってる?」

斎藤君は舌打ちをすると別の車両に移って行った。

「ありがとうございます…」

「いいよいいよ、それより大丈夫?顔色良くないけど…」

最近あまり眠れてない。

目をとじたら大和のことばっかり考えちゃって。

「そういえば、パーカ、速水から受け取ったよ。速水の彼女だったんだね。ミスコンの時は驚いた。」

大和の、彼女…

ううん、違うんだ。

「いえ、わたし、彼女じゃないです。」

私がそう言うと有川君は目を丸くした。

そしてしばらく何か考えてるような表情のあと、もう一度私の顔をまじまじと見る。

なんだろう…

「あ、あの…?」

「あっ、ごめん…本当に速水と付き合ってないの?」
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