ドSな君の、恋愛講座。
幼児体型だし、チビだし、…

落ち込むからやめとこう…

普通一目惚れするなら、やっぱりあの大和の元カノみたいな可愛くもあり、綺麗でもあるそんな人。

それにしてもどうしよう。

まだ有川君のこと全然知らない。

だけどただひとつわかるのは、私はきっと大和のことをまだまだ忘れられない。

そんな中途半端な気持ちはだめだ。


「おはよう、鈴原さん。」

次の日から電車で会うたびに爽やかな笑顔で挨拶をしてくれる有川くん。

そしてたった二駅分の時間だけ、少しずつだけど有川君のことを知っていった。

陸上部に所属していること。

弟と妹がいること。

「実は俺、一度鈴原さんにあったことがあるんだ。」

有川君と話すようになって一週間がたったある日、突然そんなことを言った。

うそ!

いつだっけ?

私、覚えてないよ…

「ハハッ、大丈夫。覚えてなくて当たり前だから!すっげえ小さい頃だし。」
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