ドSな君の、恋愛講座。
もしさくが幼なじみじゃなかったら、さくより先に花恋に出会っていたら、俺は本気で花恋のことを好きになっていたかも知れない。

何度もさくのことを諦めて、花恋のことを本気で好きになろうとした。

もう好きでいたって仕方ない。

俺のことを思ってくれる花恋を大切にしよう。

好きになれる、そう思っていた。

だけどやっぱり俺には無理で。

花恋が家にはいったのを見届けて歩き出す。

今度こそもう諦めるべきなのか?

あいつはもう俺のものにはならないのか?

あきらめたくない。

さくだけは諦めたくないんだよ。

誰なんだよ、さくが好きなやつ。

なんで俺じゃだめなんだよ。

誰よりもさくを思ってる自信がある。

誰よりもお前の事、好きな自信があるよ。

俺のこと、少しでも意識してくれたこと、ある?

キスしたとき、抱きしめたとき、意識してくれた?

我ながら女々しい。

だけどこんなにもお前のこと、好きなんだ。
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