ドSな君の、恋愛講座。
「うん、まあね。」

「誰!?」

私も気になる!

「同じ塾の人なんだけど、席が隣でたまたま消しゴム拾ってもらってたまに話すようになったんだ。」

普段は見たことのないフーちゃんの乙女の顔。

すごくかわいい。

「よし、みんな頑張ろ!女子校の力、見せつけてやろう!」

「おー!」

友達っていいな。

心強くて、安心する。

みんながいてくれてよかった。


そして次の日、私は待ち合わせの駅に向かって走っていた。

なかなか寝ぐせが取れなくて悪戦苦闘してたらあっという間にこんな時間に!

待ち合わせまであと五分!

どうにか間に合って!

そんな願いも虚しく、ついたのは待ち合わせより十分もあと。

「鈴原さん!」

「ごめんなさい!遅れちゃって…本当にごめんなさい!」

最低だよ、私…

こんな寒いなか待たせるなんて。

「そんなに謝らないでよ、俺、鈴原さんに何かあったのかと思って焦っちゃった。」

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