ドSな君の、恋愛講座。
へ?

聞こえてきた意外な言葉に有川君の顔を見た。

その顔は笑ってたけど、少しさみしそうな、そんな表情で。

「俺、ミスコンの会場にいたんだ。それで速水が鈴原さんと付き合ってるっていう宣言聞いて、諦めようと思った。相手はあの速水大和だしね。」

有川君は言葉を続ける。

「でも諦められなかった。鈴原さんのこと、話すたびにどんどん好きになっていった。」

こんな私のことを好きだって言ってくれた有川君。

優しくしてくれた有川君。

「鈴原さんは、速水が好きなんだろ?」

私はコクンと素直に頷いていた。

私は大和が好き。

その思いに迷いはない。

「有川君、ありがとう。こんな私になんか告白してくれて、優しくしてくれて、ありがとう!」

本当に、ありがとう。

「私なんか、なんて言わないで。鈴原さんはすごく可愛くて、優しいよ。自信持って。なんてたって速水大和が選んだ女の子なんだからさ。」

ううん、違う。

私は大和に選ばれてなんかない。

大和に気持ちすら伝えてないんだ。

でも、有川君に出会って、思いを伝える勇気をもらったよ。


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